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12月2日から3日に掛けて、日韓観光振興協議会、日韓観光交流拡大シンポジウム、晩餐会が開催され、今週はさながら「日韓観光ウィーク」の様相を呈した。2日の日韓観光振興協議会とシンポジウム前の晩餐会を取材すると、とても日韓関係が政治問題でギクシャクしているとは思えないほど熱く、友好的だった。 2014年の日韓の観光交流は10月までで、訪日韓国人が前年同期比6.8%増の224万5400人、訪韓日本人が16.2%減の193万400人。政治問題と円安が影響してか、未だに回復の兆しが見えない。訪韓日本人の1-10月で193万人は、2006年水準とほぼ同じで、この年は年間234万人で終わった。 2009年から12年までの訪韓日本人は毎年300万人を超え、2012年は352万人を記録した。この年の9月から竹島問題でマイナスに転化して、今もその状態が続いている。あのまま推移していれば、日韓観光交流700万人に近づいたかもしれない。 訪韓日本人旅行者の減少傾向は、韓国の観光業を逼迫させている。とくに、日本の旅行会社が造成するツアーのランドを担っていたオペレーター会社は経営環境が厳しくなっている。 来日した韓国文化体育観光部の金鐘(キム・ジョン)第2次官も「今年1年間の韓日観光交流は、満足できる結果を得ることはできなかった」と訪韓日本人旅行者の減少に言及している。 その一方で、金次官は日本の観光業界、旅行業界が韓国への日本人旅行者を回復するために、率先して動いていることを高く評価している。8月にソウルで開催された日韓観光交流拡大シンポジウム、今回の東京での同様のシンポジウム、さらに今週からスタートした日本旅行業協会(JATA)会員旅行会社ら1000名による韓国訪問団。そして、来年の日韓国交正常化50周年イベントへと続く。 金次官は韓国で人気のドラマ「未成」を引用して、今の日韓観光交流は「未成」だが、すぐに「完成」し、700万人の早期到達も確信すると述べた。訪韓日本人が350万人を超えた20012年。領土問題がなければ400万人に近づいていた。 久保成人観光庁長官は、日韓観光交流拡大シンポジウムについて、「来年の日韓国交正常化50周年に向けて、両国の観光交流が新たな時代を迎えようとする今、日韓の観光の最前線で活躍する人達が集まる未来に向かって意見交換するイベント」と位置づけた。 日韓の歴史は古い。暗く、重い歴史も多々ある。過去は過去として受け止め、久保長官が語るように日韓の未来に向かって踏み出さなくてはらない。金次官が語るように「未成から完成」にステップアップしなければならない。他の産業に先んじて、未来志向で進むのが観光業界だ。日韓の政治の壁を乗り越えて、日韓の観光は未来に向かって走りだす。 同時に開かれた日韓観光振興協議会で、両国間の確認文書が交わされた。その第一に「観光交流はより良い日韓関係を築くための基盤であり、継続的・安定的に推進すべきとの認識を共有する」とある。「日韓間をとりまく諸課題の状況にかかわらず、観光交流は原則としてそれに影響されることなく推進されることが望ましい」。 「観光は平和へのパスポート」と言うが、政治も経済も冷めている時こそ、観光で熱く協力していくことが必要だ。 とくに、確認文書では「観光交流の危機時は相互協力し、観光交流の回復のために最大限に協調する」ことを謳っている。観光交流の危機は「自然災害、疾病、事故など」となっているが、これには「政治」も「経済」も含まれるのではないか。 とにかく未来志向で、日韓観光交流の新時代を双方向で地方に広げて拡大していく。観光の熱で政治を経済を溶かしていく。日韓は「政冷観熱」で交流を拡大する。(石原)
by yoshiro.ishihara
| 2014-12-08 00:00
| 航空・旅行
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