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楽天トラベルがダイナミック・パッケージの取り扱いをいよいよ開始した。インターネットのオンライン上で航空券とホテルをパッケージ化して販売するダイナミック・パッケージは、エクスペディアをはじめアメリカ、ヨーロッパで発展し、日本にもその波が遂に来た。 楽天トラベルは、国内宿泊予約の「旅の窓口」から始まり、海外ホテル予約、国内・海外の航空券予約、そしてダイナミック・パッケージへと進化を続けている。山田社長は「旅行業は地殻変動する」と大きな変革をかねてから主張していたが、その起爆剤となるのがダイナミック・パッケージだろう。 既に、住友商事系列のオンライン旅行会社、グローバルトラベルオンライン(GTO)がダイナミック・パッケージをスタートさせており、「航空券+ホテル」のフリー型商品として、ダイナミック・パッケージは、格安航空券販売、オンライン国内宿泊予約に次ぐ旅行業界で「第三の革命」(後藤GTO副社長)の可能性も出てきている。 楽天トラベルは自社ダイナミック・パッケージの特徴として、低価格とともに自由度や即時予約の利便性をアピール、24時間予約・購入が可能なこと、航空券の送料無料、日本語による24時間電話サポートなどサービス面の充実も強調する。 とくに、ダイナミック・パッケージと、これまでの航空券とホテルの別個手配の違いを価格差で例を挙げて具体的に紹介。これにより、従来の航空券やホテル予約サイトとの差別化を狙う。 また、今後ダイナミック・パッケージ同士の競争が激しくなることを想定して、楽天トラベルの優位性をアピールする。クレジットカード決済が可能であること、そして楽天スーパーポイントの付与などが強みだ。 アクセス数の多さと、こうしたサービス強化により、「楽天トラベル=ダイナミック・パッケージ」のイメージを一般消費者に植え付けることが最大の狙いと見られる。 ダイナミック・パッケージは、GTO以外でもANAセールス「旅作」、日通系NTSの「タビスト」など、他社も既にスタートさせている。ANAセールスは中国方面に限定しており、これからが本格的な競争の幕開けとなる。 一方、JTBは既に個人旅行に対応するシステム、NFS(New FIT System/海外自由旅)のJTB各支店、提携販売店への導入を進めている。航空券やホテルなどの「積み上げ型パッケージ」であるNFSもダイナミック・パッケージの一つであり、JTBの佐々木社長は本紙のインタビューでも「シニア層がどんどん自由になった時に、我々が彼等にプロとして認められるのは、その時用意された素材の中で、一番リーズナブルで良質なものを瞬時に提供できる能力だろう」と述べ、NFSがアクティブシニアの旅行のビジネスモデルになることを示唆している。 GTOの後藤副社長も「利用者で多いのは30〜50代のビジネスマンで、その次が家族」と答え、楽天トラベルの山田社長もダイナミック・パッケージを「ビジネス・レジャー両面での利用を考えている。20代後半から30代後半にかけての旅慣れた人をターゲットとしていきたい」と説明している。 既に、海外旅行をFITとして捉えている20〜30代、海外旅行に抵抗のない40代、団塊の世代を含む50代と幅広い世代がダイナミック・パッケージのターゲットになる。 海外旅行の主流がFITである時代に、ダイナミック・パッケージの登場は「来るべくしてきた」という思いもする。航空券とホテルを主体に現地交通手段程度を求めるなら、ダイナミック・パッケージの利便性は高い。普及すればするほど、格安航空券、ホテルの単品販売や低価格パッケージツアーなどは大きな影響を受けるだろう。 一方で、ダイナミック・パッケージがFIT市場で拡大すると、パッケージツアーは差別化に向けて高品質の方向へ向かう可能性もある。というより、その方向に進まないと道は開けないだろう。(石原) ※関連リンク 航空新聞社
by yoshiro.ishihara
| 2006-02-20 00:00
| 航空・旅行
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