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電気通信事業者協会がまとめた4月の携帯電話・PHSの契約数を見ると、興味深い数字が並んでいる。ソフトバンク、KDDI、NTTドコモの純増数の順位は変わらないが、ドコモはLTEだけの純増なら1位で、FOMAとiモードが純減したことで3位にとどまっている。いよいよ4G高速通信サービスのスマートフォン時代到来が近いことを物語る。 各社から今後発売されるAndroidの新しいスマートフォンの画面は、4インチを超える。かなりの重量だが、このサイズになると、PCもタブレットも、個人用途ならあまり必要ないかもしれない。スマートフォンで全てが足りる。iPhoneも次期モデルで画面の大型化が予想され、スマートフォンの「オールインワン」傾向がはっきりしそうだ。 冒頭から旅行と関係ない話のようだが、これが大いにある。もはや「スマホ」なくして旅行は語れない時代になって来るからだ。 日本は欧米と同じでPC普及率が高い。したがって、どうしても、まずPCからマーケットを考える。PCの普及もビジネス、家庭、個人の順のため、ビジネスから入りがちだ。言うなれば、「ビジネスで使うPC」が家庭、個人に普及した過程を辿る。 PCとスマートフォンの中間的なタブレットも、需要としては欧米・日本が旺盛だ。日本仕様の「ガラケー」の存在がスマートフォンの普及を遅らせたという見方はある意味正しいが、その背景には日本のPCの個人保有率の高さもあると思われる。 ところが、アジアではPCの普及を飛び越えて、一挙にスマートフォンが広がった。これは、HISの澤田秀雄会長、グーグルジャパンの有馬誠代表取締役が指摘する通り。 澤田氏は旅行業の方向性として「スマートフォンの時代」を挙げ、「アジアでコンピューターは一般に普及しているわけではないが、スマートフォンはほとんどの人が持っている。インターネット+スマートフォンが旅行業を変える」と指摘。 有馬氏は「スマートフォンからの旅行検索・予約が爆発的に増えており、アジア全域のトラフィックの50%近くがスマートフォンからの検索。アジア全域のモバイルの台数は20億台を突破しており、世界最大のモバイルリージョン」と指摘。PCからスマートフォンへの「ゲームチェンジ」、旅行産業の早期スマートフォン対応を促している。 澤田氏と有馬氏のスマートフォンに対する発言は、澤田氏は旅行関係者の集まりである「十人会」で、有馬氏は世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)仙台サミットのセッションでのものだが、アジア・ツーリズムの拡大という共通のテーマで、同様の認識を見せた。 2年前に韓国、タイに行って、地方でも老若男女、ほとんどの人がスマートフォンを持っていて驚いたことがある。その波が日本に逆に押し寄せてきている。 あるアンケート調査でも、スマートフォンの利用でPCの利用が減少したという結果が出ている。タブレットの普及でPCの利用が減少したという報告もあるが、個人需要では、確実にインターネット・情報端末の主役がPCからスマートフォンに移行する時期に来ている。 このため、旅行関連でも、スマートフォン向けのアプリ開発の記事が毎日のように掲載されている。 スマートフォンの性能、高速データ通信の普及、コンテンツの内容などを見ると、今年がPCからスマートフォンへの分岐の年になるかもしれない。旅行関連のコンテンツを見ると、まだまだ物足りないが、新型スマートフォンの登場、高速データ通信の全国拡大とともに一挙に進化しそうだ。 インターネットの普及は、旅行業への異業種の参入、新たなビジネスを生み出したが、スマートフォンへのシフトは、また新たなビジネスモデルを創出するかもしれない。(石原)
by yoshiro.ishihara
| 2012-05-14 00:00
| 航空・旅行
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