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11月22日にANAグループが、2008年1-3月の国際線燃油サーチャージについて、現行水準を据え置き、値上げを見送ると発表したことは、大きな驚きだった。JALとANAが営業割引運賃やサービス面で競争することはあっても、こうした「固定費」的な値上げでは、申請日や届出日は違っても結果的に横並びになるのが常だった。しかも、大体はJALが先に申請し、その後にANA、旧JASが結果的に追随してきた。 それが、ANAは今回は敢えて、国際線燃油サーチャージの値上げを見送った。ANAはここで国際線燃油サーチャージの値上げを申請すれば、1-3月の海外旅行需要に大きな影響を与えることと、これ以上の値上げをすれば燃油サーチャージ額が航空運賃に拮抗することで、運賃本来の意味を問われることなどを考慮したものと思われる。 来年4月からのIATA値上げを見込んでのことという声もあるが、今回のANAの決断は燃油サーチャージのことだけには留まらない。ANAがJALと違う道を選んだということがとても大きい。 これまで、日本の民間航空業界はJALが牽引してきた。ナショナルフラッグキャリアであるJALは、マーケットリーダーであり、プライスリーダーだった。今でも、JALグループとANAグループを比べれば、事業規模はJALグループの方が大きく、業界のトップ企業であることは変わりないが、今回、ANAがJALと別の見解を示したことは、本当にANAがJALに拮抗した存在になったことを実感させる。 これに対して、JALは現在、再生プランを順調に進めている。中間決算は、売上高1兆1500億円、営業利益566億円まで改善された。ANAの中間決算が売上高7632億円、営業利益670億円だから、本業の儲けを示す営業利益はANAに近づいている。早期特別退職者の募集などは前倒しで進んでおり、適正規模にするチャンスは今しかないだろう。 JAL・JAS統合を行政が認めた時から、我が国の民間航空業界は圧倒的な二つの企業グループの競争時代となった。あの時、JALはANAと切磋琢磨することでより競争が本格化し、航空業界が発展すると訴えた。一方、ANAは公平に競争するには少なくとも3社は必要で2社では競争促進にならないと論じた。 この時、ANAはJAL・JAS統合に大変な危機感を持っていたはずだが、JAL・JAS統合が曲折を経たこともあり、逆に今はANAが優位な立場にいる。JALは西松社長以下経営陣が不退転の決意で再生を目指しているとは思うが、自助努力で再生するという目標を全社員に浸透させてほしい。 ANAは「45-47体制」の時代からずっとJALの背中を追いかけてきた。「航空憲法」とまで言われた「45-47体制」は、JALが国際線と国内幹線、ANAが国内線、JALが主にローカル線と住み分けてきた。 それが80年代後半から競争時代に入り、ANAは国際定期便に進出、そしてJAL・JAS統合などを経て、今に至るまでJALを追いかけてきたが、ここに来て追い付き、追い抜こうとしている。 ANAは「2009年にアジア・ナンバー1キャリアを目指す」と謳っている。アジア・ナンバー1になるためには、日本でナンバー1にならなければならない。「11月22日」はそのための第1歩になるかもしれない。 長く民間航空業界を見てきたからかもしれないが、国際線燃油サーチャージの据え置きは、ANAがプライスリーダー、マーケットリーダーとして歩き出した日になりそうな気がする。大げさに言えば、11月22日は日本の民間航空業界の「歴史が動いた」日になるかもしれない。(石原)
by yoshiro.ishihara
| 2007-12-03 00:00
| 航空・旅行
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