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最近の一連の動きを見ていると、航空業界と旅行業界の力関係が大きく変わってきたように思う。前にも書いたが、6年前の9%から7%への国際線コミッションカットや航空会社のダイレクトセールスの拡大が問題視されていた頃は、JATA(日本旅行業協会)を中心に航空業界に対して抗議行動は今より激しかったし、何よりも旅行業界全体が危機感で議論が沸騰していた。 今年2度にわたる国際線燃油サーチャージの値上げ、米系航空会社に続くJALの来年4月からの7%から5%への国際線コミッションカット、そして国際航空券を発券当日のみにVOID処理を限定する「SAME DAY VOID」の日本への適用と、航空業界から旅行業界への風当たりは厳しくなるばかりだ。 航空会社からすれば、旅行会社を特定して厳しい措置を取っているわけではない。国際線事業の収益性が悪化する中で、JALをはじめ航空会社はレジャー路線の見直しを進めており、旅行業界への一連の措置は国際線事業の収益改善が目的と言える。 ただ、度重なる燃油サーチャージの値上げに対してIATA運賃の値上げによる燃油サーチャージの一部組み込みなど、燃油サーチャージの問題を旅行業界と航空業界で解決していこうという矢先だっただけに、国際線コミッションカットや「SAME DAY VOID」には、旅行業界としては「冷水を浴びせかけられたような思い」が強い。事前協議なしの一方的な「通告」は、「信頼関係を損なう」と憤る関係者も少なくない。 旅行業界幹部の中には、「航空業界と旅行業界は“主従関係”」と自嘲気味に語る人もいるが、一度そう思ったら終わりで、この先、ビジネスはますます先細りになっていく。 ただ、一連のこうした動きに対して反対、反論するにしても、航空業界を納得させるだけの論理を展開しなければならない。 旅行業界は欧米と違い、日本は旅行会社が中心に国際航空券の販売を実施していることや、日本ではレジャーはパッケージツアーが中心であることを日本の特性として挙げているが、FIT化でそれも変わってきており、日本の旅行業界の特殊性だけでは、残念ながら説得性に欠ける。 こうした時に、必ず使われる言葉が「グローバルスタンダード」だ。IATA-Japanは「SAME DAY VOID」適用外の日本に、グローバルスタンダードとして導入すると指摘。国際線コミッションにしてもグローバルスタンダードは「ゼロコミッション」として、今やコミッションそのものが風前の灯火である。 しかし、これは「航空会社のグローバルスタンダード」であり、航空会社の一方的な解釈という見方もできる。百歩譲って、航空業界がグローバルスタンダードを言うなら、旅行業界もグローバルスタンダードで反論したらどうか。 例えば、燃油サーチャージの値下げ。シンガポールケロシン市況は9月に入って1バレル80ドルを割っており、大韓航空(KAL)は11月1日から燃油サーチャージを値下げする。燃油サーチャージの廃止/減額条件が各社によって違い、KALが11月から値下げするのに、日本のJAL、ANAが最速でも来年1月1日というのは納得できない。 これこそ、航空業界の国情、特性があってもグローバルスタンダードにすべきで、2国間の同じ路線で相手国が燃油サーチャージを値下げしたのに、日本の航空会社が据え置いているとなれば、消費者にどう説明するのか。航空会社の信頼性がまた揺らぎかねない。 本音で言えば、旅行業界が最も恐れているのは、国際線の供給量だろう。とくに、昨年のJALのサイパン線撤退をはじめとするレジャー路線の見直しは現地だけでなく、旅行業界全体に影を落としている。航空会社を刺激すると「伝家の宝刀」をいつ抜かれるか分からないという不安がある。 旅行業界が改善すべき点は多々あるが、航空業界も同様に改革が必要な点は数多い。利用者利便を第一に考えて、業界エゴに走らず、双方が納得できるグローバルスタンダードで歩み寄ることだ。(石原) ※関連リンク 航空新聞社 ■
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by yoshiro.ishihara
| 2006-10-30 00:00
| 航空・旅行
9月の海外旅行者数が前年を割り込みそうな状況だ。8月に海外旅行者数が伸びた反動、とくに9月は日並びの関係で、2回の3連休が1回になり、ショートの海外旅行に影響が出たことが大きな要因として挙げられている。 今年の出国日本人数は1月に7.6%減、4月に3.7%減と2回前年同月を割ったが、8月までのトータルは1.7%増と微増ながら前年を上回っている。9月が前年割れとしても、10月以降への影響は予約状況を見る限りなさそうだが、残り3カ月、アウトバウンドに関しては大きな伸びは期待できず、過去最高だった2000年の1780万人を超えるのは厳しい情勢になってきた。 9月の速報値はまだ各方面から出揃っていないが、例えばグアムは前年同月比12%減程度になりそうという。グアムの日本人訪問者数が二桁台のダウンを示すのは2003年以来で、今年は8月までの累計が3.4%増の65万2000人。とくに7、8月は順調な伸びを示し、昨年の日本人訪問者数95万5000人から今年は100万人への復活を目指していただけに9月が惜しまれる。 また、JALのサイパン撤退で毎月10%台後半から20%台のマイナスを続けていたマリアナの日本人訪問者数は、9月に入り、38.5%減と8月の16.5%減から22ポイントもマイナス幅が広がった。 この傾向はグアム、サイパンにとどまらず、他のビーチリゾートやアジア方面でも同様の傾向を示しており、反日デモから回復している中国や香港、またロングのヨーロッパを除けば、9月は各方面で前年を割り込むことが予想されている。 大手旅行各社に聞くと、9月のパッケージツアーは取扱人数ベースでは前年を割っているところが多い。反面、取扱額ベースでは前年を上回る会社が数社出ている。高付加価値商品が売れているという分析もあるが、9月はロング商品が売れたという背景もあると見られる。 そうした中で、各社ともにアメリカ本土の旅行が厳しい状況だ。前年比で60%、70%台に落ち込む会社もある。要因としては、FITの進行、昨年のディズニーランド開園50周年の反動などが挙げられているが、現行のパッケージツアーに限界が来ており、フライ&ドライブや新しいデスティネーションの開発などの取り組みが急がれる。 10月、11月のパッケージツアーの予約状況を見ると、前年を上回っているところが多く、9月の低迷による10月以降の影響は現段階ではなさそうだ。近年の傾向を見ると、8-9月の旅行が平準化されてきており、9月を単月で見るよりも、8-9月を一つに括って需要動向を見た方がいいという意見もある。 JALに聞くと、国際線の路線リストラで、今年度は供給量が前年比10%減、それに対して輸送量は8月までで前年比6%減で推移していたが、9月は供給量と同じ10%減までダウンした。しかし、10月は予約が前年比1%減まで挽回しており、やはり9月がVの字の底を示しているという。 旅行会社は航空会社の燃油サーチャージの値上げに苦慮しているが、10月の状況を見る限り、航空会社も旅行会社も、燃油サーチャージの値上げが販売に影響している状況はないようだ。 しかし、海外旅行は順調に伸びているという状況ではない。10月以降の推移を見るしかないが、中国を除いて、海外旅行が右肩上がりになっていくというプラス要素があまり見当たらない。 日本人の海外旅行のポテンシャルが仮に3000万人以上あるにしても、2001年以降の国際情勢は依然として海外旅行への大きなマイナス要因となっており、災害や事故も起きている。最大のプラス要因は来年からの団塊世代のリタイアだが、期待ばかりが先行して、実際にはまだ見通しが立っていないのが現実だ。(石原) ※関連リンク 航空新聞社 ■
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by yoshiro.ishihara
| 2006-10-23 00:00
| 航空・旅行
安倍晋三首相は去る10月5日の衆議院予算委員会で、北側一雄公明党幹事長、前国土交通大臣の質問に答え、「観光立国とビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)を国の重要な政策の柱として位置付けていく」と表明した。既に、新任の冬柴鐵三国土交通大臣が観光立国担当大臣としてVJCを進め、とくに日中観光交流の拡大に言及していたが、首相が正式に観光促進に積極的に取り組むことを表明したことは大きな意義がある。 安倍首相就任時にも取り上げたが、最重要課題に掲げる日中・日韓関係改善と自身の歴史認識の自己矛盾をどのように解決するか注目されたが、上手く折り合いを付けている。 日中首脳会談、日韓首脳会談を見ても、もっと曖昧にすると思われた歴史認識について、日中戦争を侵略戦争とする1995年の村山首相談話、さらには従軍慰安婦の存在を認める93年の河野官房長官談話を「私を含め政府として受け継ぐ」と述べた。 安倍首相は自身の著書やこれまでの発言から、内外で「タカ派」のレッテルを貼られているが、「右側」の部分を切ってまでも、日中・日韓関係の関係修復策を見ると、バランス能力に優れているのかもしれない。識者の中には、中国、韓国側が日本と関係を改善しなければならない事情があるからと語る人も多いが、それ以前に、安倍首相に関係改善への強い意志がなければできないわけで、安倍首相の柔軟な姿勢が日中・日韓首脳会談を実現させ、定期的に開く道筋を開いたと評価できる。 今後は、2010年の訪日外客1000万人達成、海外旅行者数の増加に向けて、日中韓で連携を取っていかなければならない。今年は日中観光交流年だが、来年は日中国交正常化35周年を迎えることを受け、35周年記念イベントを開催する方針も固まった。 北側公明党幹事長は、予算委で日中、日韓間の関係の深さを証明する事例として、日中、日韓間の航空定期旅客便数が飛躍的に増加している現状を説明。日中間では現在、週525往復・1日平均75往復が運航されているが、「これは東京−大阪間の『のぞみ』の便数よりも多い」とし、10年前に比べれば349%増、これ以外にもチャーター便や貨物便があると説明した。しかし「それでも足りない」として、去る7月の日中航空交渉妥結によって増便が実現し、「おそらく来春には週525便からさらに100便以上増える。増えざるを得ない状況にある」ことを強調した。日韓間の定期航空路線も、10年前より73%増えているとし、「それだけの需要がある」と日中・日韓の旺盛な航空需要に対する供給の増加を訴えた。 安倍首相は首相就任後の初の訪中で出席した温家宝中国首相主催の歓迎晩餐会で、羽田−上海虹橋チャーター便の開設を推進していくことで両首相は一致した。これにより、羽田−虹橋間の昼間チャーター便実施に大きく道が開いた。 羽田−金浦のソウルチャーター便の実現も小泉前首相とノ・ムヒョン韓国大統領のトップ会談で決まった。今後実務レベルで課題をクリアして、来年度には羽田ー虹橋チャーターが実現するだろう。 2009年度の羽田空港再拡張に伴う国際化で、羽田空港は国際近距離路線の拠点空港になることが期待されているが、その前段階として、羽田−金浦と同様に羽田−虹橋の昼間チャーター便が運航されるとみられる。 こうした日中・日韓関係の改善に最大のネックとなるのが、北朝鮮の核問題だ。観光は平和産業とよく言われるが、アジアだけにとどまらずアウト、イン双方の旅行に影響を及ぼすかもしれない。既に、韓国からの金剛山観光は大半がキャンセルされているが、どこに行っても核の脅威があるなら、旅行そのものを手控える傾向が出てくる。今こそ日中韓の国際的連携が必要だ。(石原) ※関連リンク 航空新聞社 ■
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by yoshiro.ishihara
| 2006-10-16 00:00
| 航空・旅行
10月は日本では年度の半期が終わり、一般的には下半期のスタートになる。今年は国のトップである総理大臣も交代し、10月は一層「区切り」といった感じが強い。 航空業界では日本航空インターナショナル(JALインター)と日本航空ジャパンが(JALジャパン)統合し、存続会社「日本航空インターナショナル」の下で、ようやくオペレーション部門が統合された。一般報道も好意的で、旧JALと旧JASがパイロット、副操縦士として一つの航空機に搭乗することや給与は低い旧JAL側に統一されることなどを伝えた。 この労働条件等の統一について、会社側は全職種へ提案し、全9組合のうち旧JALの地上職社員が多数参画するJAL最大の労働組合JALFIOと合意したが、その他の組合とは合意に至っておらず、現在も交渉が続いている。 とくに、組合側が問題視しているのは機長管理職制度で、JALは管理職になるとスト権を持てなくなる。1970年にJALがこの制度を導入した時も組合対策と言われたが、JALジャパンは機長管理職制度は採用していないため、旧JAS乗員も含めてこの制度の対象となる。組合側はこの導入に反発しており、完全統合で一つの大きな課題となっている。 この問題はJALジャパンとの労働協約が有効な11月10日まで続けられるが、合意できなければまた批判の矢面に立つだろう。 それだけではない。昨年の今頃は、完全統合の発表段階だったが、当初は日本航空の下に完全統合するはずだった。最終的には、「日本航空」の名で完全統合を目指すべきだ。そうしないと、名実ともに統合できないのではないか。 JALとJASの統合は紆余曲折を経た最大の要因は、実質JALによるJAS統合だったものを「対等合併」にこだわったからだと思う。それがJASの反発を招き、様々な問題を引き起こしたのではないか。 業界に限らず、対等合併ほど難しいものはないというのが定説だ。金融界の大合併の先駆けだった第一勧業銀行(現みずほ銀行)は、第一銀行と日本勧業銀行が合併しても長く、たすきがけ人事をしたという「伝説」まであるくらいだ。三菱東京UFJ銀行とう名前からしても、主導権争いはきっと凄いだろうなという察しは付く。 旅行業界でも近畿日本ツーリストと日本旅行の合併頓挫も、結局は親会社を巻き込んだ主導権争いに尽きるだろう。 そうした中で、村上ファンドの買収劇に巻き込まれた阪神電鉄は阪急と統合することになり、10月から持株会社阪急阪神ホールディングスがスタートした。阪急グループは既に中期経営計画で、事業を都市交通・不動産・レジャー・流通・旅行・ホテルに分けており、阪神電鉄もこれらの事業別に統合が図られていくのだろう。 旅行業の場合は、阪急グループは別会社の阪急交通社に一つのコアを形成し、阪神電鉄の旅行事業は本社の一部門だが、既に、経営統合委員会の中に、旅行事業は海外・国内の主催旅行小委員会、仕入小委員会や業務渡航小委員会、システム小委員会等が経営統合委員会の中に設置されている。 新しい阪急阪神ホールディングのホームページを見ると、阪急側の気の使いようがわかる。何もかもが半分に割ったようなデザインで、旅行も「左阪急・右阪神」に対等に分かれている。 30年ほど前になろうか。かんべむさし氏のSF小説「決戦日本シリーズ」を思い出す。阪急と阪神がリーグを制して日本シリーズで戦い、勝者が敗者の路線に乗り入れるという関西人でなければ発想できない面白さだった。 その小説も阪急と阪神の両方を面白く対等に扱っていたのが印象的だったが、前述のように「対等合併」は非常に難しい。シナジー効果を発揮し、両者の長所を伸ばす理想的な統合を期待したい。(石原) ※関連リンク 航空新聞社 ■
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by yoshiro.ishihara
| 2006-10-09 00:00
| 航空・旅行
昭和29年という戦後生まれの首相が誕生した。基本的に安倍政権は、小泉政権の改革を継続して進めるのだろうが、どのように「安倍色」を出していくかは興味のあるところだ。 安倍氏の出版した「美しい国へ」を読むと、よく言えば明るく、悪く言えば脳天気。底抜けに未来を信じられるところが凄い。団塊の世代やそれ以前の世代どころか、安倍氏よりちょっと上の世代でも読んでて気恥ずかしくなってくるのではないか。 昭和29年生まれのこの世代は、何事にも「遅れてきた世代」。高校に入学する昭和45年(1970年)は、70年安保闘争がほぼ終わり、高校も静かになり、大学に入学する昭和48年は、大学闘争は先鋭化している。音楽はフォークブームからニューミュージックへ。内向きへと志向が傾いた時代だった。 谷間のような世代と言われたが、さすがに安倍氏のような「エリート」はその当時の世代とは一線を画しているようだ。あまりの明るさ、底抜けの未来志向がまぶしい。 とりわけ、祖父のことがあるからか、日米安保には強い思い入れがあるようで、外交の基軸を日米関係とすることは、小泉政権と同様だ。しかし、小泉政権と違うのは、「美しい国へ」を読む限り、第二次世界大戦、とりわけアジアへの侵攻を「侵略戦争」と捉えていないのではないかと危惧する。 小泉前首相は「靖国問題」に関しては「頑固」だったが、村山談話を踏襲して、日中戦争を「侵略戦争」と解釈していた。ここが安倍首相と小泉前首相の決定的に違うところだろう。 だからといって、日中、日韓関係がさらに冷えこむとはならない。「美しい国へ」でも安倍氏の首相就任会見でも「観光立国」に関する発言はまだ聞こえては来ないが、アジア外交、とくに中韓との関係改善を重要課題に掲げており、それなくして日中韓の観光交流拡大はできないので、歴史認識を棚上げして中韓関係の改善に期待したいところだ。 安倍首相は就任会見の中で、「多くの国々、多くの人達が日本を目指し、そういう方々に日本に来ていただける環境をつくっていくことも重視していきたい」と述べており、取りようによってはビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)をさらに発展させていくとも取れる。 また、「美しい国へ」について、「美しい自然や日本の文化、歴史、伝統を大切にする国」と述べているので、観光立国に向けてへ「美しい国」をつくってほしいと思う。 その意味では、国土交通大臣に前任の北側一雄氏と同じ公明党から冬柴鐵三氏が就任したことは大きい。公明党幹事長として北側前大臣を支え、二階俊博氏とも信頼関係は厚い。 冬柴氏は官邸での国土交通大臣就任会見で日中観光交流拡大に言及、国交省での会見では「2010年に外国人観光客を1000万人にする観光立国担当の使命がある。現在、中国から日本を訪れる観光客数は年間65万人、日本から中国を訪れる観光客数は339万人で、これがイーブンになれば、いっぺんに1000万人になる」と述べ、日中間の観光交流拡大をさらに強力に推進していく考えを表明するとともに、安倍首相から推進を指示された事項の一つに観光立国の実現を挙げた。 美しい国をつくって観光交流を拡大してほしい。冬柴国土交通大臣・観光立国担当大臣の政治手腕に期待しよう。(石原) ※関連リンク 航空新聞社 ■
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by yoshiro.ishihara
| 2006-10-02 00:00
| 航空・旅行
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